幼児のころ、数や言葉を覚えるのに、机に座らせてドリルをやらせる親は少ないと思います。
お菓子の数を数えたり、絵本でモノの名前を覚えたり。
それは学習であっても、子どもにとっては楽しい遊びです。
ところが学校に上がった途端、遊びは勉強に変わり、面倒くさいこと、嫌なことに変わってしまう。
それは学校の勉強に、子どもが楽しいと思える要素が少ないからです。
ゆとり教育のひずみで各単元に裂かれる時間は極端に少なくなり、教師は必要な量を消化するために駆け足で授業を進める。
これではゆとり教育どころか、完全な詰め込み教育です。
補修や宿題などで完全に理解できるまで教えてくれる先生ならいいのですが、公立の小学校ではそこまでやってくれないことも多く、わからない子はわからないままに次の単元に進んでしまいます。
勉強は積み重ねなので、一つ土台に穴があいていると、上に積み重ねてもすぐ崩れてしまう。
わからないから勉強が嫌いになる。
嫌いになると理解しようという意欲がなくなる、という悪循環にはまっていきます。
親は子どもが勉強をしていれば安心するかもしれませんが、ただ机に向かってやらなければならないものだけを消化していくのと、学んで身につけることとは別物です。
食べ物だって、おいしいと思って食べた方が栄養になると言いますよね。
それと同じで、勉強だってイヤイヤやっていては身につきません。
子どもがそのときどきに習うことをきちんど消化していくために、楽しく学ぶというのはとても大切なことだと思います。
そのために我が家で取り入れていることとして、通信教育の教材を利用した家庭学習と、勉強ゲームというのがあります。
通信教育は現在ベネッセのチャレンジを利用していますが、教材選びについてはまた別の項目で詳しく書きたいと思います。
ポイントとしては、低学年のうちは親が教材を選び、高学年になったら子ども自身に教材を選ばせるということでしょうか。
与えっぱなしではなく、ときどき親がチェックをすることも大切だと思います。
勉強ゲームは、夕食後の1時間ぐらいを利用して、100マス計算競争や漢字山手線ゲーム、タングラムなどをやっています。
といっても毎日やるのではなく、子どもの気が向いた時にやる程度です。
100マス計算は学校の宿題で出るのですが、コピーして親子で時間を計って競争します。
漢字山手線ゲームは、「にんべん」「さんずい」「きへん」などその日のテーマになる部首を決めて、順番に漢字を出していって、詰まった方が負けというものです。
これは今娘が一番気に入っている遊びで、同居している祖父母や父親にまで自分で根回しをして、「今日夕飯の後に漢字ゲームをやるからね」と家族全員を巻き込んでいます。
我が家は全員読書好きで漢字についてはまだまだ子どもに負ける人はいませんが、大人はかえって難しい字ばかり考えてしまって、そんな簡単な字があったのかと子どもに気づかされることも少なくありません。
祖父母にとっては認知症予防になるし、難しい字が出たときは、読み方や熟語や意味などを少しずつ教えてあげると子どもにも勉強になります。
宿題がたくさん出てうんざりしている日でも、漢字ゲームとなると途端にはりきってやろうやろうと言い出すところを見ると、子どもはこれを勉強ではなく遊びととらえているのがよくわかります。
自分の経験から考えても、案外そうやって覚えたことは深く記憶に残るものです。
算数に幾何の概念が入ってくる小学校3年生ぐらいからは、タングラムも面白い遊びです。タングラムは大小の三角や四角の板をつなぎあわせていろいろな図形を作る遊びですが、遊び方については
ココに詳しく出ているので参考にしてみてください。
「勉強しなさい」と口で言うよりも、時間が許す範囲で子どもと一緒に勉強する方がずっと効果的。
学校や塾、家庭学習の教材なども、ただ与えるだけでなく、ときどき親がチェックをすることも必要です。
中学、高校になると親が勉強を見るのも難しくなってくるので、親子で学習できる小学生のうちに、辞書の引き方、調べもののしかた、ノートのとり方などを折に触れてアドバイスしてあげると、一人で勉強をするようになっても効率的に勉強が進められると思います。
そして何より、勉強は義務でも嫌なことでもなく、新しい知識を得ることは楽しいことだという感覚を、小さい頃に身につけておくことが大切だと思います。